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〜獣医師のひとり言〜

2011.2.14  空前のペットブームと言われ始めて久しく、飼養頭数は全国で犬・猫だけでも2300万頭を越え、
人間の子どもの数を越えるに至りました。
 しかし、それとは裏腹に年間30万頭を越える犬達が強制的に天国へ旅立っているのです。
これは法律に基づいたものだけの数であり、更に虐待・飼養放棄などによるものが加わります。
 やむを得ず、仕方なく、などの言い訳が聞こえて来そうですが、生まれてきた生命を粗末にする事に言える
言い訳などあるはずがありません。旅立ちへ携わる行政の担当獣医師だって、こんなことをするために,
獣医師になったのではないと、きっと思っているに違いありません。
 その昔、人間に牙を剥いていたオオカミと人間は、狩猟や外的防除で、お互いのために仲良くしようと
手を組み、それ以来、オオカミは人間に牙を剥くことを止めました。そして、使役的飼養、ペット、
更には伴侶動物(コンパニオンアニマル)と人間社会に無くてはならないものになりました。
 チワワ人気の火付け役となった「くうちゃん」、骨っこ「ゴン太君」、そしてCM好感度調査でぶっちぎりの
人気となった、ソフトバンクのCMでお父さん役を演じる「かい君」、みんな本当に心穏やかに癒してくれます。
セラピー活動として犬を伴い養護施設などを訪問すると、これまで犬嫌いだった方々からでさえ、
こぼれんばかりの笑顔が見られることも珍しくありません。
 こんなペット達に、人間の勝手な都合や忙しさで寂しく悲しい思いをさせることは極力避けて通らなければなりません。
我々人間には楽しい事や困ったら助けてくれる仲間が沢山います。しかし、ペット達には飼い主さんしか
いないのですから・・・・・。
真の意味で、ペットとの共生とは何かを模索しつつ、悲しい現状が改善されるよう、
少しのお手伝いが出来れば何よりと考えております。



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